「ある所に、工芸品の産出で有名な都市がありました。そこは主に、鈴で有名だったんです。その工芸品は、名前をシラ・ベルと言いました。
そういう鈴の名産地だったんですけど、生産がストップして全滅してしまいました」
調べる
調べ
調べました
侵攻
全滅
突然の暴風雨により
「何故、全滅したかというと、ある怪獣によって壊滅したんですね。
それが、エレキングによく似たエレキテルという怪獣でした。
しかもエレキテルという奴は、何故か今度は上野公園に向かってるではありませんか」
平賀源内
エレキテル
上野公園
犬を連れ
「上野の近くに、その鈴の名産地があったと」
「エレキテルって、動物?」
「怪獣」
「エレキングに似た怪獣」
「ところが、エレキテルを捕まえようとしたところ、動物愛護協会から、エレキテルの権利の侵害ということで捕まえることを拒否されました。
そこで狩り出されたのが戦国大名。」
挑戦的言動
権利の侵害
FBIにマークされ
戦国時代
大名
「なんか知らんけど、戦国大名がいたのね」
「戦国大名はエレキテルの説得をしようとしましたが、エレキテルはドタバタとして言うことを聞きません。」
説得
説得する
説得して
説得しました
ドタバタ
社会風刺
トーキー映画
「大名の説得など生ぬるい! と言って現れたのは、屈強な男たちでした。彼らはみなスポーツマンで、それもホッケー狂であり、スティックを巧みに操るホッケー狂たちの連携プレーにより、エレキテルはたちまちのうちに捕らえられてしまいました」
日蓮
法華経
捕らえられる
捕らえられました
「捕らえられたエレキテルの前に、怪獣学の権威・実行(さねゆき)博士が現れました。
エレキテルは自らの意思で暴れていたのではない。背後には宇宙からの侵略者・シタ人がいるはずだ! 彼らをどうにかしなければならない...と、言い放ちました。
まあ、ケムール人とか、そういう奴ですね」
実行
実行する
実行しました
した
した人
「その実行教授は、操られていたエレキテルに同情しています。しかし、荒くれ者のホッケー狂の男たちに管理されていて可哀想だと。その状況を見て深く心を痛めました。
ホッケー部の連中なんかにまかせるからいけないんだ。飼育係は別にまかそう。と、言うわけで、いままでは大学のホッケー部の連中だったんだけど、飼育係は酒部(さけぶ)に変わりました」
深く心を痛めた
深く心を痛めて
深く心を痛めました
叫ぶ
叫びました
「さすが大学ですな」
「飲み会サークルか」
「その酒部にまかせたんですけれど、酒部というのは多分、飲み会サークルなんでしょうけど、そういう悪酔いした奴が暴れ出すというのは決まりきったこと、まさに世界の法則。
てんで飼育になりません。それで飼育係に任命した方は後悔しました」
論文
法則
コロンブス
航海
「任命した方って、実行先生ね」
「そう、実行教授」
「とりあえず今は、酒部が、エレキテルを飼育してるのね」
「ところで、鈴を作った人間というのは死刑宣告され、いつのまにか死刑囚にされてしまいました」
「え、ちょっと待って。鈴を作っていた人は、怪獣に蹂躙された被害者なんだけど、何か悪いことやっていた、と」
「鈴を密輸なりなんなりしていたの」
「ははあ」
「それで、捕まって死刑囚になってしまいました」
「じゃ、戦略物資だったんですね、このベルが。なんか、軍事に利用できるとか」
「ところがこの死刑囚、脱走しまして、そこの酒部の部員全員を、人質としてしまいました」
死刑囚
解剖
驚き
人質
人質として
じっと耐え
「実は、エレキテルって、いい奴だったんじゃん?」
「そのころ、酒部の人たちは、何故か楽市楽座のことについて、とても疑問に思っていました」
楽市楽座
室町幕府
不思議
疑問に思う
疑問に思い
「人質になっている間に、何やってんだか」
「もっと他に、やること無いんかい」
「なぜ、あの戦国時代において、楽市楽座などということが成立していたのだろう。そうか、それは織田信長の強大な権力があってのことではないか。つまり防具が備わっていたからではないかと。
我々も、こんな凶悪犯に対抗するには、防御力を身につけなければならないのだなあ、と思いました。そして防備を固めて、一転、逆襲した彼らは死刑囚をあっさりととらえ、しかし殺すには忍びないと言って生き埋めにしてしまいました」
防ぐ
防ぐため
防ぎました
学者
生き埋め
生き埋めにする
「殺すには忍びないって」
「死ぬやん」
「それから3ヶ月。
実行教授の元の酒部とホッケー狂の学生たちは、もう学校を卒業して...」
「3ヶ月で?」
「だから、卒業3ヶ月前に事件が起こったんでしょ」
「卒業して、それぞれ就職し、見習い期間、つまり働きかけです。働きかけていました」
学校
3ヶ月
母親
働きかけ
運動
「で、その酒部の連中も、ホッケー部の連中もいなくなったので、飼育係が不慣れなもので、逃亡してしまう訳です。エレキテルが。
エレキテルは逃亡して、横浜まで逃げていった、と。
これは大変だ、また横浜の街が全滅してしまう...で、これを捕まえようとするんだけど、みんな仕事が忙しくて捕まえに来てくれない。働きかけだから。どうしよう...
と、いうところで、ここで怪獣を取り押さえる名人の、伝説の人物がいるらしい。
アタナカという土地にですね、川があって、川の真中に砂が溜まって州(す)になってるんです。そこに、疑似餌を使う、疑似餌の使い方が非常に上手い人がいる。
熱中州の、ルアー・マリさん。女性。疑似餌のマリ。この人に依頼が行きました」
横浜
イギリス人
夢中になって
熱中するあまり
「その人は、美貌の持ち主でした。
しかし、皮肉にも、そんなことは釣りには関係ありませんでした」
美貌
鼻が3センチ低かったら
皮肉にも
後になって
認められない
認められませんでした
「名前、なんでしたっけ?」
「ルアー・マリ。疑似餌のマリ。つっても、“ルアー”は称号だから、下の名前しかわからない」
「実はそのルアー・マリ、科学信奉者であり、その科学の力を使い、十字架を叩きつけました」
科学
科学者
十字架
十字架にかけられる
十字架にかけられました
「科学の力! ドカン!! と」
「わけわかんねえ」
「十字架の形をした、ルアーなんだよ、きっと」
「ここで、シタ人の歴史について振り返ってみましょう。
シタ人は見えない、聞こえない、喋れないの三重苦にも負けず、発明王になった人間でした」
三重苦にも負けず
エジソン
発明王
(注:宇宙からの侵略者じゃなかったのか?)
「そのシタ人の生き残りを発見した実行教授は、彼らに教えを受け...」
「え、でも、悪い奴だって決め付けてなかったっけ? さっき」
「実はいい奴だということに気づいた実行教授は、彼らに教えを受け、エレキテルと会話をする方法を学びました」
「え、でもまだ捕まってなかったんじゃ...ああ、捕まったのか。十字架型のルアーで」
「『君があちこちをさまようと、その度に人間が迷惑するから、どこかでじっとしていてくれないか』
しかし、エレキテルはこう言いました。
『いや、そんなこと言われても、わて、流浪の怪獣ですから』
と言って、とりあってくれないのです」
教えを受け
教えを受ける
教えを受けた
ウェリントン
ワーテルロー
「『その流浪の間に、職業を転々としましてなあ』
と、いつの間にやら人生相談になってしまったエレキテル。
チョビ髭の実行教授も困り顔です」
職業を転々とする
職業を転々として
舞台
絶賛
チョビ髭
「実行教授には助手がいて、名前が浮力(うき・つとむ)さん。
で、困り顔の教授を見て言いました。
『先生も、いいかげん怪獣騒ぎで働き過ぎです。先生のいる場所は本来、大学院です。大学院で慰安旅行にでも行ったらどうですか』」
浮力
お湯
お湯があふれる
インディアン
西インド諸島
「実行教授が慰安旅行に行っている間、助手の浮力さんは、エレキテルの知能実験とか行って、タマゴを立てることができるか、とか、吊るされたバナナを取ることができるか、とか、なめくさった実験をして、とうとう余りにも低レベルなので、エレキテルはキレて灰を投げつけました」
タマゴを立てることができるか
灰を投げつける
灰を投げつけました
「やっぱり、教授は扱いがうまかったけど、助手だとうまくいかないんだ」
「実行教授ならと一時的に黙っていた、あの動物愛護協会も、助手の扱いには黙っておれんとばかりに特殊能力を持つマリー・アントワネットという者に依頼を頼みました」
「ルアー・マリの本名か?」
「しかし、この特殊能力は、罪を犯すことしかできなかったのです」
マリー・アントワネット
王妃
罪を背負う
罪をおかす
神
主
「なんだよ、そりゃ」
「動物愛護協会も、そんな奴に依頼すんなよ」
「マリー・アントワネットは、まずエレキテルが邪魔になったシタ人や、ホッケー狂や、酒部などなど、エレキテル以外の全ての者と同盟を結び...」
「酒部は、結構いい友好関係だったような気もするけど」
「それに怒ったエレキテルは殺人狂時代に突入し、皆殺しを始めました」
犬猿の仲
同盟を結ぶ
独裁者
モダンタイムズ
殺人狂時代
「そして、死体がうずたかく積まれました。
エレキテルは、ついに勝利を勝ち取ったのです」
うずたかく
うずたかし
仲間らと共に
どうしてもわからない
どうしてもわからず
勝利
勝利する
勝利して
「その、雄叫びを上げるエレキテルを見ながら、実行教授は、どうも自分の目の前で起こっていることは夢の世界の出来事...本当の出来事ではないように感じました。そこで彼は気づきます。
そうか、トリックだ!」
一同、大爆笑。
「そこでハッと目が醒めた実行教授は、自分が診察室の椅子に座り、若く美しい女性の前に座っていることに気づきます。その女医の胸の名札には、『なかおおえ・すめらぎこ』と書いてありました。
実は、ノイローゼに陥った教授は、この精神科医から催眠療法を受けていたのです。しかし、その催眠療法が失敗して、これまでずっと、あらぬ妄想を抱いていたのでした。
おしまい」
カトリック
旧教
中大兄皇子
大化の改新