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 毎年恒例のひとり旅である。
 一昨年は長州、昨年は薩摩だったので、今年は土佐藩...と、いうことも考えていたのだが、土佐は遠い。金がかかる。
「じゃあ、今度は旧幕府軍側だ」
 と、ゆーわけで今年は会津藩である。
 「風雲児たち」でも、最近とりあげられてたしね。

 ここまで書いていて、
「HPの内容は、はじめて来た人にもわかるように、一部にしか通じないネタは避ける」
 という方針を密かにたてていた自分の決意に反する書きこみをしていることに気づいて、少し鬱になる。
 しかし、旅先でいちいち用語を説明するページをこさえるのも面倒くさい。
 詳しくは、昨年の旅日記および一昨年の旅日記を参照されたし。


 で。
 起きたのは朝の7時。
 家のゴミを出して、さて出かけるか...と思ったところで、自分は床屋に行こうとしていたことを思い出す。
 本当は前日に行くつもりだったのだが、昨日は近所の床屋が休みだったのだ。
 行くのはいいにしても、この時間ではまだ開いてないので、ボケーとゲームしたり、インターネットで行き付けのところをいくつかめぐったりして時間を潰す。

 床屋に行って準備もした。さて出かけようかと思ったのだが、なんとなく気分が乗らず、さらに怠惰な時間を過ごす。
 いつまでも出発を引き伸ばしてもしょうがないんで、ようやく腰を上げたのが12時。

 会津に行くのは、はじめてではない。母方の祖父母が福島県に住んでいたおかげで、小さい頃に訪れた記憶はある。しかし、そのころは、背景の幕末史とかに全く興味が無かったんで、あんまり楽しんだ記憶がない。
 大学のころ、友人ら数人と北海道に遊びに行く際、夜に新潟港でフェリーに乗って小樽に向かう予定だったので、昼間のうちにわざわざ会津若松に寄り道して観光していく...という、訳のわからんプランを実行したこともある。が、あの時は事情が事情だけに余裕のあるスケジュールは組めなかった。
 なので、あらためてそーゆー興味と共に訪れるのは、初めてだったりするのである。
(でも、歴史に絡めて云々なんてまっとうなことは、おそらくここに書くことはないと予想される)

 そっち方面に行くときは、大抵は東北新幹線を利用している。
「いつも同じルートではつまらん!」
 と思い、今年は東武鉄道を利用して、もっと内陸のルートで行くことにする。

 北千住の駅で浅草発の特急スペーシアに乗りこんだのが、13時41分。
 終点の鬼怒川温泉着が15時32分。
 そこから1時間に1本しか出なかったり、ワンマン運転でバスのような料金システム(整理券方式)だったりする、田んぼの中を一直線なスーパーローカル線を乗り継ぎ、会津若松着が18時過ぎ。

 さすがに疲れた。
 時間ばっかりかかった割りに、電車の席に座ってただけなんで、何か書くようなことも起こらないし。


 駅の近くのホテルにチェックインし、ホテルのレストランでビールと日本酒で食事。
 なんとなく物足りなかったので、外に出る。せっかく酒どころに来たんだから、どっかで美味い地酒でも飲むか、と店を探す。

 全然、ありゃしねえ。

 ここも、もう観光地としては落ち目なのか? と、思えるほどさびしい町並みである。
 もしかしたら自分が泊まったあたりが特別に寂れていただけかもしれんが。

 ようやく見つけた居酒屋に入る。
 夕食のた直後だったんで、ほんのつまみ程度と思って注文した料理がステーキ皿一杯に出てきてビビる。が、美味かったんで、満足してビールのジョッキを傾ける。
 と、ここで初めて、地酒でもと思っていたのに、ついいつもの習慣で店に入ってとりあえずビールを注文してしまった自分に気づく。
 さすがに腹一杯になってしまったし、美味くて満足したんで、それ以上に飲むのはやめておく。

 そんなこんなで、酔っ払ってホテルに戻って寝た。
 深夜に起き出して、これを書く。