第1期



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司会進行「では、第1期。立候補する方。前に出てきてください。では、いいですか? じゃあ1番目」


 ゲームでは全部で10期、つまり10回の選挙を行います。
 各期毎に、プレイヤーのうち5人が、選挙に出馬する候補者となります。

この場合、第8期と第4期に出馬することになる  誰が出馬するかは、ゲーム開始時に配られた「出馬指定カード」に従います。
 この数字に対応する期に、プレイヤーは出馬することになします。

 

1.榎本久

榎本「榎本です。私の政策は1枚でも白色チップを持っていると15点。これ、継続です」

−『おーーーーっ!』
 場内の一部より、拍手。
−「なんか、めちゃめちゃ人気あるじゃん」


 出馬した候補者は、手持ちの政策カードから2枚を選んで、選挙公約として掲げることができます。

政策No.233  政策には、「継続」「即効」の2種類があります。

 「継続」タイプの政策は、いちど成立してしまえば、基本的にゲーム終了時にまで効果を発揮しつづけます。

 ここで榎本さんが掲げた政策No.233は、ゲーム終了時の得点計算を左右するものなので、ゲーム終了時にのみ効果を発揮します。


榎本「ただし、ゲーム終了時のみ有効です」

−「利益誘導だな」
−「白を1枚でも持っていれば15点ね」
−「ゲーム終了時まで持っていればね」
−「『今、持ってるぜ』とかヌカ喜びになるかもしれないんだ」

榎本「さらに。白色チップの価値が2倍になります。ただし、この政策が実行されますと、ピンクのチップの価値が半分になっちゃいます」


政策No.150
 「即効」タイプの政策は、即座に効果を発揮し、1回限りで捨てられます。

 ゲーム開始時、各チップはすべて1枚につき10点の価値を持っています。
 このまま価値が変わらなければ、ゲーム終了時、チップを1枚持っている毎に10点が得られます。


 露骨な白チップ優遇政策で、白チップ所有者の支持を狙います。

−「白、偏重」
−「白の支持者以外、票は入らんな」
−「白の族議員」
−「白色学会って感じだな」

 ここに、突如出現した謎の政治団体。
 以後、この「白色学会(はくしょくがっかい/しろいろがっかい)」は、多くの選挙で影響力を振るうことになるのです。

(真相は、白チップを優遇すると、勝手に「あいつは白色学会だ!」と呼ばれるようになってしまった、というだけだったりしますが)

榎本「白を持つ人は、私に協力してください! 持っているだけで15点になります」


2.森竜太郎

森「私は森と申します。私の政策なんですけど、黄色のチップの価値を2倍にしようと思います」

『おーーーーっ!』
 場内の一部より、拍手。

森「同時に、青色。すみませんが、価値を半分にさせていただきます」

−『Booーーー』
 場内の別の一部より、ブーイング。
 言うまでもないことですが、先の拍手が黄色チップ所有者、後のブーイングが青チップ保有者からのものです。

政策No.283「コギャル法」
森「もうひとつ。継続型なんですが、『コギャル法』というのを制定しようと思います」

 一同、爆笑。

森「内容ですか? まず最初に『ちょ〜』とか『ってかんじ』とか『っていうか』『みたいな』と、いう言い方を日本語の共通語として普及させようと思います」

−「やだー」
−「ちょ〜嫌!」

森「もし、これを守らなかった者がいた場合! 所有チップを1枚、警察に(と、司会を指し)没収されます」

 一同、笑。

森「ちょ〜清き一票を、お願いするってかんじ〜

 一同、爆笑。
−「バカでいいけど、なんか嫌」

森「次回の選挙より、有効とさせていただきます」

−「それ系の政策について聞きたいんですが。これ、適用されるのは立候補者だけですか?」

司会「全員です」

−「うひゃー」

司会「ただ、全員の言動にいちいち目を光らせたりもしてられないんで、見落としたらそれっきりです...でも前でしゃべってたら絶対見落としません」

−「ちょ〜嫌かも、ってかんじ〜」
−「まだ施行されてないよ」


3.玉本晃一

玉本「えー、みなさん。玉本です。よろしくお願いします。
 まずですね、即効性のある経済対策を打ちたてようと思います。
黄色チップの価値は+3。だけど、代わりに桃色チップは−4

 で、継続なんですが、やはり私はみなさんに利益があるようにと思いまして、チップの各色毎に枚数を調べてください。
持っている枚数が偶数枚の色ひとつにつき、15点もらえます。この場合、0も偶数ですので、お間違えのないように。1枚も持ってなくても15点もらえます。
 これは継続ですんで、廃止されない限り、ゲーム終了時に有効となります。

 以上、利益を得る人はたくさんいると思いますんで、よろしくお願いします」



4.小池克博

小池「小池克博です。よろしくお願いします。
 えー、まず、私は、即効性の有る経済対策としまして
、赤色チップの価値を+3にしたいと思います。
その代わり、同時に
白色チップ−4

−「なんと恐ろしいことを」

小池「榎本さんの政策は、ちょっといけませんね」

 一同、笑。

小池「もうひとつ、経済対策です。黄色チップの価値を+4にしたいと思います。その代わり、緑−3です」

司会「全部即効ですね」
−「わかりやすいですな」


 先にも述べた通り、選挙時には、各候補者は政策を2つ掲げます。
 今までは「継続」と「即効」をひとつづつ挙げていましが、この小池さんのように「即効」2つ、または「継続」2つでも構いません。



5.宮村幸男

宮村「トリになります。宮村と申します。えー、私、こちらの方(と、小池さんを指し)と似通った政策となっております。即効性のもの2つ用意しました。
 まず1つめ
。緑色チップの価値を+4します。同時に、青色チップが−3になります。
 もうひとつ、これがミソです。
白色チップと緑色チップの価値を入れ換えます」

−「変わんねえじゃん」
(白チップも緑チップも、どちらも価値は10で同じ)
 一同、笑。


 2つ掲げた政策をどちらから実現するかは、候補者自身が決定できます。

 たとえば、この場合「緑に+4」を先に、「緑と白の入れ換え」を後にすると白の価値に+4されますが、 「緑と白の入れ換え」を先に、「緑に+4」を後にすると、緑の価値に+4となります。

 こういう時は、候補者が自分に都合のいい順番を決められます。




司会「はい、という訳で、投票に移ります」
−「あの、すみません」
司会「はい、なんでしょうか」
−「投票しなきゃいけないんでしょうか」
司会「しなきゃダメです。棄権は認めません」
−「白票は?」
司会「白票もダメです」
−「強制選挙法が施行されてるのね」
司会「...じゃあ、みなさん。いいでしょうか?」


 5人の選挙演説が終わると、いよいよ投票です。

 立候補者以外のプレイヤーは、手元の紙に、自分が投票したい人の名前を記入します。
 その後で全員の投票した候補を調べ、上位2人までが当選となり、その人の掲げた政策が実行されます。


司会「はい、じゃ、榎本さんに投票した方、手をあげてください」
−『はーーい』
−「多いな」
司会「1、2、3、4、5、6...7票。榎本さんの得票は7表。次、森さん...」

当落 氏名 得票 政策
玉本晃一 (即効)黄色に+3/桃色に−4
(継続)所有枚数が偶数の色毎に+15点
榎本久 (即効)白の価値を2倍/桃色の価値を半分
(継続)白を1枚でも持っていると+15点
森竜太郎 (即効)黄色の価値を2倍/青の価値を半分
(継続)「コギャル法」
小池克博 (即効)赤に+3/白に−4
(即効)黄色に+4/緑に−3
宮村幸男 (即効)緑に+3/青に−3
(即効)白と緑の価値を入れ換える

司会「はい、以上のような結果となりました」

 拍手。

司会「では、まず榎本さんの政策が実現されます」
−「あーよかった、コギャル法は廃案だね」
森「ちょ〜マジむかつく、ってかんじ〜」


 複数の当選者の政策は、下位の当選者が掲げたものから実現します。

 ピンク色チップの価値に注目して説明します。

*榎本政策「ピンクの価値を半分に」
*玉本政策「ピンクの価値を−4」

 最初のチップの価値は、先に述べた通り一律1枚につき10点です。
 この場合、まず2位の榎本さんの政策により、価値は10×0.5=5となります。
 次に1位の玉本さんの政策により、価値は5−4=1となります。

 もし仮に玉本さんが2位、榎本さんが1位だと、
 まず最初に玉本さんの政策により価値は10−4=6。  次に榎本さんの政策により価値は6×0.5=3となっていました。



第1期終了時/チップの価値
●赤 10→ ●青 10→ ●緑 10→ ●黄 13↑ ○白 20↑ ●桃  1↓
継続政策
所有枚数が偶数の色毎に+15点。
白を1枚でも持っていると+15点。

司会「ピンクの価値は、一気に1になってしまいました」
玉本「でも、ピンク1枚も持っていなかったら15点」

 つまり、0枚も偶数なので、彼が制定した「偶数の色毎に15点」ルールにより得点がつくのです。

−「渋い政策だな」
司会「それでは、当選した方。チップを1枚引いてください」


 当・落 に関わらず、ゲーム終了時、各プレイヤーは自分が選挙に出たときの得票1票につき、1点を得ます。

 また、選挙に当選した候補者は、当選報酬としてチップを1枚ランダムに引くことができます。


玉本「うわー、これは貰っちゃいけないんだよ〜!」

 玉本さんが、たったいま自分が価値を下げたばかりのピンク色チップを引いてしまい、周囲に爆笑を引き起こします。

玉本「しかもこれ、奇数になっちゃったよ奇数に」

 チップ1枚もっていても価値は1点。
 しかし1枚も持っていなければ、偶数ボーナスにより15点がついていたのです。

 とはいえ、勝負はまだ始まったばかり。これから先、どうなるかはまだ全くわかりません。
(得点計算をするのは、ゲーム終了時のみ)


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