昔々、ある所にお姫様がいました。【王女】
しかし、政治抗争に敗れて王室は没落し、お姫様は政敵の目を逃れるために山に逃げ込みました。【山】
そのお姫様は、たいへん美しい姿をしていました。【美しい】
一方、旧王室を没落させ、新たな王となった男がおりました。【王】
王様の王冠は金銀財宝に彩られ、とても豪華なものでした。【王冠】
しかし、あろうことか、その王冠が盗まれてしまったのです。【盗まれた】
王冠が盗まれてしまって、王国は大騒ぎになりました。やがて、
「王冠を取り戻した者、王冠を盗んだ犯人を捕らえた者にはどのような褒賞も思いのまま与える」
とのお触れがでました。
そこへ、1人の旅人が通りかかりました。
「この騒ぎは何なんだ?」【旅】
この旅人は、王都への道をやってきました。【道】
実はこの旅人というのは、別の国で一時は大臣にまでのぼりつめた経歴をもっておりました。しかし、彼もまた政治抗争に敗れ、地位を失い、放浪の旅に出ていたのです。
その没落した旅人と没落したお姫様が、山の中で偶然に出会いました。【2人が出会う】
出会った場所は、小さな山小屋でした。【小屋】
そして、2人はその場所で追っ手に見つかり、追い詰められました。【追跡】
しかし、その旅人は魔法のじゅうたんを持っていました。2人はじゅうたんに乗って空を飛んで逃げました。【物が空を飛ぶ】
そして2人は恋に落ちました。【2人が恋に落ちる】
恋に落ちた2人は、なんとか王国を再建しようと意気投合しました。そして、彼女の生まれた町に行きました。【町】
そして、盗まれた王冠に関する情報を集め始めました。
王位の象徴である王冠を取り戻せば、再び民衆の指示を得て王位に返り咲くこともできるのではないか、と考えたのです。
ともに暮らすうちに、2人の間には子供が生まれました。【子供】
そして彼らは、魔女に依頼して王冠の行方を調べてもらうことにしました。【魔女】
その魔女は、とても醜い姿をしていました。【醜い】
魔女は言います。
「王冠は、とても深い森の中に隠されているようです」【森】
そこから先は、彼女の魔法の力をもってしても知ることはできませんでした。
「その森には、老人の狩人が住んでいるので、彼に聞けば何かわかるかもしれません」【老人】
2人は、魔法使いに教えられた通り、森の中に入って行きました。
そして、狩人がいる小屋の戸をたたきました。【ドア】
すると、小屋の中からドタバタと大きな音が聞こえ、その後、音は途絶えました。
不審に思った2人がドアをそっと開けると、中から老人が襲い掛かってきました。
しかし、所詮は老人。若い2人の力にかなうはずもなく、あっさりと取り押さえられてしまいました。そして、なぜ暴れたのかを問い詰められると
「俺じゃねぇ! 王冠を盗んだのは俺じゃねぇ!!」
さらに問い詰めると
「俺です」
...と、いう事実が明らかになりました。【事実が明らかになる】
彼は、捕まったら怖いので、盗んだ王冠は森の奥にある魔法の泉に放り込んでしまった、と答えました。
その泉には大蛇が住んでおり、しかもとても深く、人間が潜っていけるものではありません。
2人は途方に暮れて老人の元へ戻り、いったいあんなところに隠してどうするつもりたったんだ!? と、さらに問い詰めます。
最初は「俺は知らねぇ」と言い張っていたのですが、やがて白状しました。
「あの泉には、底へつながる洞窟があるのだ」【洞窟】
そこで2人は子供を連れて、その洞窟に潜って行くことにしました。
その洞窟はとても深く、道を知らない彼らは出口を見つけ出すことができません。
やがて、その奥底で、老人の言った通り、とても大きな蛇がいました。
大蛇は彼らを睨んで言いました。
「そこにいる、柔らかそうな子供をよこせ。子供をよこせば、お前たち2人は見逃してやろう」
「ラッキー!」
2人は子供を差し出しました。【幸運】
蛇は子供を食べて幸せな気分になりました。【幸福】
蛇は言いました。
「お前らの探している王冠は、城の地下の牢獄にあるぞ」【牢獄】
(P:「ちょっと待てーい!」「泉に放り込んだのに...」「いや、きっとつながってるんでしょう」「魔法の泉だし」)
そこで2人は城に取って返し、王冠を見つけ出しました。
そして彼女は政敵を倒して女王様となりました。【女王】
2人は再び蛇のいた洞窟に取って返し、蛇を退治してその腹を切り裂き、子供を助け出しました。
こうして
両親は、長い間行方不明だった子供と再会を果たしました。
(P:「ひでー親」「行方不明って、いったい誰のせいだと思ってるんだ」)