「老女と怪物の恋」


昔々、あるところに怪物がいました。怪物

それは、とても頭のよい怪物でした。とても賢い

とても頭が良かったのですが、剣を振り回して暴れる、という悪い癖がありました。

ある老女が、その癖こそが怪物の最大の弱点であると気づきました。老女

そしてその老女は怪物を倒すため、どうにかして、ある廃墟に怪物をおびき寄せました。廃墟

ところが、その怪物を見た老女は、彼のことが好きになってしまいました。2人が恋に落ちる

そして老女は、怪物の妻になりました。夫/妻

彼らはお城に住みました。王宮

実は、その老女には、長い間つれそっていたが、以前に離婚した老人がいたのです。老人

別れた妻とはいえ、嫉妬に狂った老人は、その国の王様に訴えでました。王様

「あいつらは無茶苦茶ですよ。いきなり、城を奪って住んでるんですよ」
王様は激怒します。
「私の名において、この2人の結婚は無効であると宣言する!」
この国では王様の言葉は絶対なので、王様にこう言われると結婚が成立しません。2人は、とてもそれに耐えられませんでした。

さらに王様は、2人を退治すべく追っ手を差し向けました。追跡

その2人は、次々と色々な国を逃げ回り、そのうち、ある王国につきました。王国

この王国では比較的、恋愛は自由なので、とりあえず結婚式をあげようと思って教会に行きました。礼拝堂

そして教会で言われました。
「お前達の結婚によって、ある事柄が明らかになる」
事実が明らかになる

話は続きます。
「お前達は、国の王様を怒らせてまで結婚しようとしている。それは許されぬことであり、このまま結婚式を強行すれば、2人は別れることになるであろう」
人々が別れる

などとやっていると、2人の元いた国が攻めてきて、この恋愛が自由な国は征服され、併合されてしまいました。
さらに、王様の差し向けた追っ手が2人に迫り、やがて戦いになりました。
戦い

しかし王様の兵隊はバカだったので、あえなく撃退されました。愚かな

それを喜んだ老女と怪物は、攻めこまれていた王国(恋愛が自由な国)の王様に宝物を進呈しました。宝物

宝物とは、王国に危険が迫ったときだけ見て良い、という本でした。

何も無い時に見ると、きっと悪いことが起こるでしょう。
そういうと2人は、また新たな平穏な地を求めて旅立って行きました。


2人がいなくなった後、恋愛が自由な国の王様は、見てはいけないという言い付けを破って、好奇心のあまり本を読んでしまいました。
すると王様は、たちまちのうちに目が見えなくなってしまいました。
盲目

一方、その老婆と怪物は、別の土地に移っていました。

彼らは居場所を変え、そして何もかもが元通りになりました。

(P:「元通りか!?」「全然、元通りになってないような気がするぞ」「だから、恋する2人がまた一緒になりましたよ、と」「んー、なんか納得いかないけど...」)


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