昔々、あるところに怪物がいました。【怪物】
怪物はあるとき、変身しました。【変身】
怪物は変身して、乞食になりました。【乞食】
なぜ乞食に変身したかというと、唯一の友である魔法使いに、言われたのです。【魔女】
「人間というのは皆ずるがしこいから、ひらきなおって乞食でもやってた方が安全だよ」【とても賢い】
さらに続けました。
「乞食になって彼らから金をもらっていれば、あなたは幸せになれる」【幸福】
(P:「ロクなこと教えねーな」)
では乞食でもやって金をもらおうかと思い、その怪物は道をトボトボと歩いていました。【道】
そこで、1人の老人と出合いました。【老人】
その老人は、怪物の話を聞いて、可哀想だと思い、自分の住んでいる洞窟へ案内しました。【洞窟】
しかし、その老人も人間。当然、ずるがしこいのです。
その老人は、凶悪な犯罪を犯したために、追われていたのです。【追跡】
そこでこの怪物を盾にしてやろうと思っていました。
しかし、その怪物も馬鹿ではありません。魔法で、相手の心を読んでしまいました。【呪文】
この老人は、怪物を盾にして逃げようという綿密な計画を立てました。【計画】
「今の追っ手さえ倒せば、俺は自由の身だ」
ところが、怪物はそれを知って逃げ出してしまいました。【逃亡】
「やっぱり、人間なんかに関わるのはよくないな」
と、自分の家に帰って行きました。【家】
そして今度は、馬になりました。【馬】
馬になれば、ずるがしこい人間には関わらないで済むと思ったのです。
そこへ、追っ手が迫ってきました。凶悪犯の老人と一緒にいたので、共犯だと思われたのです。
すると突然、嵐になりました。【嵐】
嵐の後、洪水になりました。
そして怪物の前に宝物が流されてきました。【宝物】
その宝物は、盗まれたものでした。【盗まれた】
どこから盗まれたかというと、王国の宝物倉である、塔からです。【塔】
先の悪い老人が、塔の窓を魔法で破って侵入して盗んだのです。【窓】
「ああ、これはラッキー」
とつぶやいて、怪物は宝物を持ちかえりました。【幸運】
怪物は考えました。
「人間の姿になったらひどい目にあった。馬の姿になったら、宝物を手に入れることができた。じゃあ、今度は狼の姿になってみよう」
と、今度は狼に変身しました。【狼】
怪物は、狼になって町を歩きました。【町】
凶暴そうな狼の姿を見て、兵隊が出てきました。そして、戦いになりました。【戦い】
狼はさんざんな目にあいましたが、なんとか家族の待つ自分の家に戻りました。
彼は、家族と再会を果たしました。
(P:「教訓として、変身するなら馬、ってことかな」)